こんにちは、しばやんです。
資格サイトで、必ずといっていいほど人気資格として紹介されている「危険物取扱者 乙4」ですが
- 「危険物取扱者?」「乙4ってなに?」などそもそも資格の内容がイメージできない
- なぜ人気資格なのかわからない
- 受験してみたいけどメリットがわからない
- 難易度は?試験に落ちて受験費用や勉強時間は無駄にしたくない など…
人気といわれているわりには、資格の中身や試験についてあまり知られていないのが現実です。
そこで、しばやんが社会人なり始めて取得した国家資格「 危険物取扱者 乙4 」について解説していきたいと思います。
受験しようか迷っている方には、特にオススメです!
ぜひ、読んでいってください!
危険物取扱者とは?
危険物には種類がある
「危険物取扱者」とは、法律(消防法)に定められた「危険物」の取り扱いや点検などができる人をいいます。
危険物は、その性質や状態によって全部で6種類に分けられ、「乙4」は第4類の危険物の 取り扱いや点検などができます。
分類 | 性質・状態 | 危険物の例 |
---|---|---|
第1類 | 酸化性固体 | 過塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム |
第2類 | 可燃性固体 | 硫黄、鉄粉、マグネシウム |
第3類 | 自然発火性物質 禁水性物質 | カリウム、ナトリウム、黄リン |
第4類 | 可燃性液体 | ガソリン、灯油、軽油、重油、アセトン |
第5類 | 自己反応性物質 | ニトログリセリン、硫酸ヒドラジン |
第6類 | 酸化性液体 | 過塩素酸、過酸化水素、硝酸 |
免状にも種類がある
「乙」は、「乙種の免状」という意味です
免状は、取り扱うことができる危険物の種類によって3種類に分けられます。
第1~6類危険物の「すべて」を取り扱うことができる甲種、第1~6類危険物のうち「試験で合格した危険物のみ」を扱える乙種。さらに第4類危険物の中でも限定されたものを扱える丙種の3種類となります。
免状の種類 | 取り扱うことができる危険物の種類 |
甲種(こうしゅ) | 第1~6類の危険物 すべて |
乙種(おつしゅ) | 合格した分類の危険物のみ |
丙種(へいしゅ) | 第4類危険物の中でも特定のもの |
さらに、甲種および乙種の危険物取扱者は、実務経験が6カ月以上あれば危険物保安監督者になることができますが、丙種 危険物取扱者はなることができません。
危険物保安監督者は、危険物を取り扱う作業者に対して、安全に作業を行うよう必要な指示を与え監督する重要な役割がある職務です。そのため、特定の危険物しか取り扱えない丙種の免状ではなることができないのです。
そして、甲種および乙種危険物取扱者が作業に立ち会うことで、免状を持っていない無資格者に危険物の取り扱いをさせることもできます。
免状の種類 | 危険物保安監督者になれる? (※6カ月以上の実務経験必要) | 無資格者の作業に立ち会える? |
甲種 乙種 | 〇(第1~6類の危険物 すべて) 〇(合格した分類の危険物のみ) | 〇(第1~6類の危険物 すべて) 〇(合格した分類の危険物のみ) |
丙種 | ×(なれない) | ×(立ち会えない) |
読んでいてチンプンカンプンになったそこのあなた!
試験勉強にも出てきますよ(笑)
危険物取扱者「乙4」 人気のヒミツは?
試験をおこなっている「一般財団法人 消防試験研究センター」の試験実施状況をみると
昨年度(令和2年度)における危険物取扱者試験の全受験者数は、およそ29万人です。
その中で、乙種4類 危険物取扱者(以下 危険物 乙4)の受験者数は20万人で、全受験者数のおよそ70%と、ほとんどの受験者の方が「乙4」を受験しています。
それでは、なぜ「乙4」が人気なのか、そのヒミツを解説していきます!
だれでも受験することができる
取り扱うことができる危険物の種類を考えると、乙4よりも甲種の方がメリットがあります。
しかし、甲種の受験者数は乙4に比べて圧倒的に少ないのが現状です。
なぜなら甲種を受験したくても、全員が受験することはできないからです。
受験資格という条件をまずクリアしないと受験することさえできないのです。
それに比べて「乙4」は、受験資格がありません。だれでも受験することができるんです。
興味があり試験にさえ合格できればだれでも取得することができます。
メジャーな危険物を取り扱える
「乙4」は、第4類の危険物を取り扱うことができます。
危険物の分類 | 危険物の性質・状態 | 危険物の例 |
第4類 | 可燃性液体 | ガソリン、灯油、軽油、重油、アセトン |
第4類の危険物は、ガソリン、灯油、軽油といったとても身近なものを含んでいます。
そして、多くの産業にて使用されている(メジャーな)危険物を含んだ分類でもあります。
取り扱える危険物が産業界にてメジャーであればあるほど、資格を取得したあとに活躍できる職種や場所は増えることになります。
つまり、メリットが広がるわけです。
そのため、他の分類より広くメリットを期待できる「乙4」が人気となっています。
資格がないと仕事ができない求人が多い
「危険物乙4」は、第4類危険物を製造する石油会社や化学工場、貯蔵タンク、輸送するタンクローリーの運転手など幅広い職種で必要とされています。
ガソリン、灯油、軽油を扱う求人はとくに豊富です。身近なところでいうと、ガソリンスタンドやタンクローリーの運転手などがあげられます。
その他にも、災害の時に発電するための非常用発電機に必要な軽油・重油タンクを管理する設備員などの求人もあります。
これらはみんな、資格を持っていないと仕事ができず、採用さえしてもらえません。
自己PRになる
学生の方であれば、在学時に取得して、高校入試や就職時の自己PRすることが可能です。
取得するために勉強をがんばったこと、少なくとも資格に合格できる能力があることを資格取得を通じて相手に伝えることができます。
さらに化学系の高校生や大学生であれば、まず乙4を取得。最終的には甲種へステップアップすることで、自己PR効果をさらにアップさせることができます。
転職や再就職時に普通自動車免許以外に免許を持っていなくても、履歴書の保有資格欄に書くことができます。
なぜなら危険物 乙4は「国家資格」だからです。国に認められた危険物に関する専門的知識・技術はアピールすることができます。
危険物乙4 はどんな試験なの?
危険物乙4を受験するための案内、試験科目と難易度について紹介していきます。
※試験情報は変更されていることがありますので「一般財団法人 消防試験研究センター 試験案内」にて最新情報をご確認ください。
受験の案内
試験は、都道府県別に実施されていて、現在の住所や勤務地にかかわらず、希望する都道府県において受験することが可能です。
受験の申請は、「書面申請」(願書の提出による申請)または「電子申請」でおこなえます。
試験日・試験会場 | 受験の申請 |
都道府県別で異なる | 都道県別で異なる |
受験資格 |
危険物 乙4には、受験資格はありません ※誰でも受験することができます! |
受験手数料 |
5,300円 ※2024年(令和6年)5月1日現在 |
※追記 2024年(令和6年)5月1日から受験手数料は、5,300円(旧4,600円)に変更になりました。受験申請の際には、ご注意下さい。
試験の方法
マークシートを使った五肢択一式の筆記試験
1から5までの選択肢のうち、ひとつだけ塗りつぶす方法です。
最悪、マグレでも正解できる魅惑的な試験方法です。
試験科目と合格基準
試験科目は全部で3科目あります。
①危険物に関する法令(=法律)
②(危険物の性質を理解するために必要な)物理学や基礎的な化学の知識
③危険物それぞれの性質や火災予防・消火方法
そして、試験科目ごとの成績がそれぞれ60%以上であれば合格となります。
試験科目 | 問題数 | 合格に必要な正解数 (60%以上の正答率) |
①危険物に関する法令 | 15問 | 9問以上 |
②基礎的な物理学及び基礎的な化学 | 10問 | 6問以上 |
③危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 | 10問 | 6問以上 |
つまり、3科目のうち1科目でも正答率が60%未満の場合は、不合格となります。
あくまでも、3科目すべてで問題数の60%以上を正解することが必要です。
科目②,③だと4問しか間違うことができない…
さすがにマグレ合格は期待がもてないなぁ。
合格率
各年度ごとの合格率は一般財団法人 消防試験研究センターから公表されています。
まとめてみると
合格率:28.9~42.3%
不合格率:57.7~71.1%(※100%ー合格率で計算)
だれでも受験できる試験ですが、だれでも合格できる試験ではなさそうです。
難易度と勉強方法
危険物取扱者乙4試験は、多くの方が受験されていることもあり、ネット上での感想もさまざま。
あまりに多すぎてどれが本当か不安にさえなってしまいます。
裏を返せば、難易度(勉強時間)は人によるということは間違いないようです。
そこで、決してやってはいけないのが、簡単だという口コミを信じ勉強不足で試験を受けること。
落ちるリスクがとても高く、結果的に受験費用と時間もムダになってしまいます。
大切なのは合格できる(合格基準を満たす)勉強をすること。
勉強方法はとてもシンプルです。
私は、この方法だけで甲種まで合格することができました。
- テキストを読む
- 問題を解く
- 間違った問題の内容をテキストで再確認
- ②と③を繰り返す
まずは、この①~④のステップでぜひ勉強を始めてみてください。
始めてみると自分の得意、不得意が見えてペースがつかめます。そうなれば①~④の時間配分をみなさんの好みで自由に調整してもらって大丈夫です。
私は、テキストを読まずに問題を解けない、気持ち悪い性格の持ち主なので①を省略することができません。
しかし、職場の同僚(当時56歳)は①を飛ばして合格しました。
同僚いわく「どうせ③でテキストを読むよね?」 …ひ、人ぞれぞれです…
勉強を始めると不思議と合格までの道のりが見えてきますよ
まとめ
危険物取扱者乙4を取得しようかなと少しでも気持ちが傾いていただけたら幸いです。
老若男女問わず受験されている 危険物取扱者乙4 試験。
学生の方、定年後の再就職を考えられている方に特にオススメの資格です。
正直、10~50歳台のバリバリのサラリーマンの方にはメリットはないかもしれません。
しかし、資格は必要な時に持っていることで最大のメリットを発揮します。
今から取りに行ってきますではチャンスを逃がします。
できれば、興味がわいたり、時間に余裕があるときにぜひ取得してみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。